人生にある3つの幸せ

 

今日は、自動車用品店のイエローハットを創業した鍵山秀三郎さんの言葉を紹介したいと思います。

今日は皆さんに、これからどうやったら自分自身の人生がよくなるかということについてお話したいと思います。
人間はだれでも自分の人生をよくしたいんです。自分の人生を悪くしたいと思っている人は1人もいません。けれども、残念ながら、自分の人生を自分で悪くする人もたくさんおります。また一方で人生をとてもすばらしくよくする人もいるわけです。今日は、皆さん方がどういう心がけで人生を送っていかれたら、どんなによくなるかということを、「三つの幸せ」というお話によってさせていただきたいと思います。
①「してもらう」幸せ
皆さんが生まれてから、お腹がすいて顔じゅう口みたいにして大きな声で泣くと、お母さんがお乳をくれます。おしめが濡れて泣くと、おしめを取り替えてくれます。抱っこしてもらいたと思って泣けば、抱っこしてもらえる。抱っこしてもらったり、お乳をもらったり、おしめを取り替えてもらうと、いままで顔を真っ赤にして泣いていた赤ちゃんは泣き止むというふうに、何かをしてもらうとうれしい。
これは「してもらう」幸せです。
②「できるようになる」幸せ
三つくらいになると、それまで母親から食べさせてもらっていたご飯を、自分で食べたくなります。母親が食べさせようとすると、お茶碗と箸を取って、自分で食べようとします。いままでできなかったことができるようになるとうれしいから、ご飯をポロポロこぼしながらでも自分で食べるようになります。もう少し大きくなりますと、自転車に乗れる、鉄棒ができるようになる、学校でいままで飛べなかった跳び箱が飛べるようになるというふうに、いままでできなかったことができるようになると、うれしくてとても幸せなものです。そういうふうに、いままでできなかったことが「できるようになる」幸せがあります。
③「してあげる」幸せ
三番目がいちばん大事ですが、皆さんがお父さんやお母さんから何かを頼まれて、それをやってあげると、お父さんやお母さんは非常に喜びます。あるいは、友達に何かしてあげると、友達が喜ぶというふうに、「何かをしてあげる」と、人がとても喜びます。そして、人が喜んだ姿、喜んだ顔を見たときに、自分が幸せになります。これがもっとも大事な幸せです。いつも人に何かをしてもらわないと幸せになれない人、それから、自分さえできればいいという考え方のような人では駄目で、人に「何かをしてあげる」幸せが大事だということです。
この三番目の幸せを感じるようになると、どんどん人生はよくなっていきます。
どうしてよくなっていくかというと、この「(して)あげる」幸せのできる人の周りには、非常に善良な、「人のいい」人たちが集まってきて、そのいい人たちと人生を送ることができるようになるからです。
私はどの幸せを感じられるようになるかが心の成長だと思います。心が成長していない人は①の「してもらう幸せ」しか知りません。少し成長すると②の「できるようになる幸せ」を知り、最後に③の「してあげる幸せ」を知ることになります。そしてこれが重要なのですが、感じられる幸せは①よりも②、そして②よりも③の方が大きいということです。つまり、人生における一番の幸せというのは、この「してあげる幸せ」にあるのです。
①の「してもらう幸せ」というのは、相手が自分のために行動してくれて初めて実現します。もしこの幸せしか知らなければ、自分の幸せは相手次第ということになります。あなたは自分の幸せのハンドルを他人に渡すのですか?あなたの人生を他人に勝手に操作されてもいいというのであれば、この幸せで満足していればいいでしょう。
②の「できるようになる幸せ」というのは、自分さえ幸せならそれでいいという考えの幸せです。人ができないことであればあるほど、それをできるようになった時により多くの喜びを感じるので、みんなできない方が嬉しいのです。自分が人よりお金や地位や名誉があれば幸せ、自分が人より恵まれていれば幸せという考えは、ある意味他人の不幸の上に成り立つ幸せといっても過言ではありません。他人が不幸なほど自分の幸福を感じられる人が、この「できるようになる幸せ」までしか知らない人です。
③の「してあげる幸せ」というのは、自分が人の役に立つことに幸せを感じられる人のことです。自らの行動で幸せになれるので、幸せのハンドルを自分自身でしっかり持っている人だといえます。また、人の役に立っていればそれだけの幸せではなく、相手に感謝してもらえるという「してもらう幸せ」も感じることができます。そして、その相手の人は今度はこちら側の幸せを願ってくれるようになります。相手より恵まれていることに幸せを感じるという、相手の不幸の上にしか成り立たない自分勝手な幸せではなく、自分だけでなく相手も幸せになってもらいたいとお互いに思える環境の中、自分と自分の周りの人がどんどん幸せになっていける「してあげる幸せ」。本当の幸せはここにあるのです。
「朱に交われば赤くなる」「類は友を呼ぶ」という言葉があるように、あなたが変わればあなたの周囲も変わります。「してもらう幸せ」「できる幸せ」しか知らない人は、自分の周りもそういう人ばかりになります。相手に何かをしてもらわないと幸せになれず愚痴や文句が多いのも、相手が幸せなことが許せずお互いに足を引っ張り合って喧嘩やトラブルが多いのも、自分自身に「してあげる幸せ」を感じられる心が無いのが原因なのです。心がまだ成長していないということですよね。
今回が人間性を高めることの最後の記事となりますが、正直言って最後にして最大の難関です。なぜなら、結局人間というのは自分が一番かわいいからです。自分が幸せになるためには自分に対して何かをするのが普通であって、自分が幸せになるために周りを幸せにするという発想にはまずなりませんよね。

周りを幸せにするのにはまず自分が幸せになってから×

こういうことを言う人がいます。確かに一理ありますが、要するに自分が今幸せじゃないから他人のことなんてそれどころじゃないということでしょう。

自分自身幸せじゃない人が他人を幸せにできるはずがない×

そうではないんですよ。
自分が幸せになってから相手を幸せにするのではなく、相手を幸せにすることに自分の幸せを見つけるのです。なぜなら今幸せじゃない人はいつまで経っても幸せになんてなれないからです。人間の欲望というのは底なしです。どこまで行けば満足という基準なんてありません。もちろん目標を達成して一時的な満足感を得ることはできますが、いずれそれが普通や当たり前の状態となり「もっともっと」となるのが人間なのです。

自分の欲望を満たして「幸せであり続ける人」など世の中にはいない

自分の欲望を満たす幸せなんて一時的なものです。しかも「人の役に立つ」「人に必要とされる」幸せに比べたら大したことがないのです。自分の欲望を満たすことよりも大きな幸せがあることを、ぜひ覚えておいてください。
でもいきなり「相手のため」という行動ができない人がほとんどだと思います。まずは「自分が幸せになってから」という気持ちもわかります。では、そういう人はどうしたらいいのでしょうか。実はその答えはすでに以前の記事に書いてあったのですが、覚えていますか?
それは次の一文です。

人間性を高めるために一番最初に必要な

また最も大切なのが「感謝の心」です

これについては次回の「人間性編まとめ」で詳しく解説したいと思います。

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