素直に相手の言葉を聞き入れることを謙虚といいます。

そして謙虚な人は人に好かれます。

それだけでなく、謙虚な人は幸せな結婚と幸せな結婚生活を手にすることができるのです。

今回は「なぜ謙虚に生きれば人に好かれるのか」という話です。

 

 

 

謙虚になれない人=常に自分が正しいと思っている人

謙虚ではない人は、なぜ謙虚になれないのでしょうか。それは自分が常に正しいと思っているからなのです。自分は絶対に間違っていないと思っているからこそ、人の意見は聞かなくなってしまうのです。人が注意してくれても、アドバイスをしてくれても絶対に自分の非は認めません。そういう人は、いずれ誰からも相手にされなくなってしまいます。

なぜ人が自分にわざわざ注意してくれるのかといえば、「あなたにはもっと良くなって欲しい、もっと成長してほしい。」という願いがあるからです。でも謙虚ではない人は、そんな思いを踏みにじるわけです。そうなると、注意した方とすれば「もう言うのやめよう」という気持ちになってしまいます。それはつまり、私を良くしたいなんて思わないで!と言っているのと同義であり、私のことを嫌いになって!と願っているようなものなのです。

反対に謙虚な人というのは、忠告やアドバイスに耳を傾け、それを自分の中に反映させます。それだけでなく、言ってくれた相手に対して感謝までします。すると、言った方は「もっと言ってあげよう」という気持ちになります。そして、そういう気持ちになってもらえれば当然「もっと良くなってもらいたい、もっと成長してもらいたい。」と相手に望んでもらえるわけです。相手がそういう状態にあるということは、実は自分が好かれている状態なのです。

 

 

自分が正しいだなんて思わないで!

謙虚になる最初のステップは、「自分は正しい」「自分は間違っていない」という勘違いに気づくことです。自分の中の「何が正しいかという基準」(価値観)というのは、今までの人生の生き方や生きてきた環境によって決まります。だから当然みんな違います。ところが、自分の生きてきた人生から出来上がった価値観を絶対視しているがために、自分の価値観は正しいと思ってしまうのです。

みんな一人ひとりが違う価値観を持っているので、他人から見れば自分には間違ったところがいっぱいあるのです。それなのに「自分は絶対に正しいんだ」なんて言っていると、周囲の人から「あいつは常識が無い人間だ」と言われ嫌われるのです。

いいですか。どんな人でも他人から非常識に見られるポイントが必ずあるのです。私もあなたも「非常識な人間だ」と周囲に思われているのです。だからそこで「私が絶対に正しい」というようなことを言っていたら、周囲から嫌われてしまうのです。

 

 

謙虚に生きれば幸せになれる

自分に対して忠告やアドバイスをしてくれる人というのは、とても大切な存在です。なぜなら、自分の成長を望んでくれているからです。言ってくれたことに対して感謝をし、それを謙虚に素直に受け取ることが大切です。

ただし、すべて相手の言いなりになれということではありません。相手の考え(価値観)もまた絶対のものではなく、ただの個人的価値観に過ぎないからです。ではどういうことかといえば、相手の意見に対し「俺の考えの方が正しい」と衝突するのではなく、自分と違う価値観もあるということを認めましょうということです。相手の価値観を理解するということが、即ち謙虚さなのです。

例えば、時間に厳しいAさんと少しルーズなBさんがいたとします。ある日二人は待ち合わせをしましたが、時間に厳しいAさんは10分前には集合場所に到着し、時間にルーズなBさんは5分遅刻をして到着しました。

A「なんで約束の時間を守らないんだ!」

A「何のために時間を決めたんだ!」

A「遅れるのならちゃんと連絡をしろ!!」

Aさんはご立腹です。

 

一方のBさんは

B「5分遅刻しただけでなんでこんなに怒ってるの?すっごい短気じゃん!」

B「大切な仕事でもないしそこまで怒らなくても。心がせまいなぁ!」

と、こちらも負けずに応戦。

もう集合場所で大ゲンカです。

 

 

わかりますか?

なぜケンカになるかといえば、お互いに「自分が正しい」と思っているからなのです。つまり、お互いに謙虚さが足りないからなのです。

時間を守る事は当たり前だ、1分でも遅れれば非常識だ、遅刻することは大罪であり絶対に許せない!、という価値観を持ったAさんと、集合時間というのは目安でありそれくらいに到着すればいいんだ、という価値観を持ったBさんが、お互いに相手の価値観を理解しようとしないからケンカになったのです。日本人は世界的に見て最も時間にうるさい人種なので、おそらくAさんに同調する人が多いかと思いますが、AさんとBさんのどちらが正しいかということは誰にも決めることができません。強いて決めるとするならば「どちらも正しい」です。

AさんはBさんに対し「時間を目安としてとらえる人なのか。それなら次回から集合時間を早めよう。それか、待つ時間を無駄にしないよう何か手立てを考えよう。」と応じればいいし、BさんはAさんに対して「時間に厳しくせっかちで短気な人だけど怒らせたのは自分のせいだから謝らないとなぁ。次からはキッチリ時間を守らないとな。」と応じればいいのです。

これは何も時間だけの話ではありません。金銭感覚、教育方針、家事の分担などありとあらゆるところで相手の価値観と合わないところが結婚生活では出てきます。その問題が出るたびに「自分の考えが正しい。自分は間違っていない。」なんてお互いにやっていたら、口論の絶えない家庭になってしまいます。自分のことは棚に上げて、相手のことを非常識な人間だと決めつけ、あげく「こんな非常識な人だとは思わなかった」「こんな人と結婚しなければよかった」と思うようになり、苦しい地獄のような結婚生活を送ることになるのです。

 

謙虚に生きるということは人に好かれるということだけでなく、幸せな結婚生活を送るためでもあります。どうかくれぐれも「自分は絶対に正しい」という勘違いをしませんようご注意ください。

謙虚にして驕らず

ありがとうございました

 

第2章 自分磨き編 /おわり

第3章 相手の選び方編「3-1.やっぱり顔で選びたい?」へ

仲人士 高橋宏仁

結婚相談のプロとして、幸せな結婚、そして幸せな結婚生活を送るための秘訣をアドバイスし多くの会員を幸せに導いている。

NPO法人全国結婚相談業教育センター正会員

日本仲人協会 豊橋南支部長

高橋宏仁結婚相談室 代表