第1話はこちら

ものがたり

この話は結婚相談所の門をたたいた35歳の女性が結婚への正しい知識を身につけ、苦難と困難を乗り越え成長したのちに幸せな結婚を手にするものがたりである。

 

登場人物

■主人公A子さん(35歳)

仕事にやりがいを持ち頑張ってきたキャリアウーマン。
年齢的にも「そろそろ結婚して子供欲しいなぁ」と考え始め、結婚に真剣な男性と出会えるという理由で結婚相談所に登録。
希望する男性の条件が6つもあったが、仲人士の指導のもと以下の条件に変更をして結婚相手を探すことに。

  • 結婚後も仕事を続けさせてくれること
  • 相手の年齢は12歳上まで
  • 県内のお相手

 

■仲人士 髙橋宏仁(たかはしひろひと)

数多くの男女を幸せに導いてきた結婚相談のプロ。
全国の仲人士トップ100に選ばれた豊橋のカリスマ仲人士。

これまでのストーリー

年齢的にも「そろそろ結婚をして子供が欲しい」と、結婚相談所に登録したA子さん(35歳)。
数ある婚活方法の中から結婚相談所を選んだのは、時間効率を考え結婚願望のある男性とのみ出会いたいという理由から。
婚活を進めていくなかでとても大切なことは「自分と釣り合う相手を選ぶこと」だと知ると共に、6つもあった相手への希望条件を3つも取り下げたくさんの人と会うことを決意。
そして自分にお見合いを申し込んでくれた人たちに会うことを決めたA子さん。
仲人士からお見合いのレクチャーを受け、いよいよ初めてのお見合いです!

 

第15話 「ドキドキの初お見合い」

 

「今着きました」

お見合いの25分前になったころ、A子さんからメッセージ(LINE)が来ました。
お見合いの開始時間というのは、出会う相手との一番最初の約束です。結婚相手として信頼できるかどうか判断するうえで、最初の約束を破ってしまうことは致命的です。事故や渋滞などのトラブルがあっても大丈夫なように、またお相手の方も集合時間より早く来ることを考えると、20分前後は余裕を見て早めに来ることが大切なのです。どうやらA子さんは何のトラブルもなく会場に到着できたようです。

「ロビーにいるので中に入ってきてください」

お見合い会場はホテルや喫茶店で行いますので、待ち合わせ場所は駅や喫茶店の入り口、そして今回のようにホテルのロビーになることが多いです。
先に着いていた私は、ホテルの中に来るよう連絡をしました。
しばらくするとA子さんがロビーにやってきました。

「高橋さんこんにちは」

笑顔で挨拶をするA子さんでしたが、とてもこわばった表情をしていました。
それはまるで私と初めて会った時のような、緊張と不安が入り混じったひきつった笑顔でした。

「こんにちは。昨日はよく寝られましたか?」

「はい、いつも通り眠れたんですが、出発時間になるにつれて緊張してきてしまって、今はすごく緊張しててヤバイです・・・」

「あはは、それが普通だよ、大丈夫。
最初はみんな緊張しちゃうからね。」

未知の経験というのは誰もが怖いものです。
A子さんの反応は、むしろ正常といっていいでしょう。
ただ、このままではお見合いに支障がありますので、少しリラックスする必要があります。
早めの集合時間は、実はそれに充てる時間でもあったのです。
リラックスする方法は人によって異なりますが、とりあえず世間話をして様子を伺います。

「今日は天気が良くてよかったねー」

「気温もちょうどよくて過ごしやすいですね」

「晴れているせいかそのワンピースも輝いて見えて、A子さんにとってもよく似合ってますね!」

「え~本当ですか?
もう少し色のはっきりした方と迷ったんですが。」

「これがいいですよ、すごく魅力的に見えます。」

「ありがとうございます(照)」

そのような世間話をしているうちに、A子さんにいつもの笑顔が戻ってきました。

「じゃーA子さんは先に席で待っておきましょうか。
私が男性を見つけて席に連れてきますね。」

「わかりました。」

A子さんを席につかせ、最後のアドバイスです。

「今日は楽しそうに話をするだけでいいからね。
緊張しても大丈夫だし会話に困っても大丈夫。
会話がなくなって無言になってしまっても大丈夫だよ。」

「えぇ、それが一番怖いんです。
無言の時間って恐怖でしかありません。」

「とりあえず相手のプロフィールはしっかり読んできた?」

「はい、それはもうバッチリです。」

「じゃー大丈夫。
そこに書いてあることで話をすればいいから。
そして書いてないことで知りたいこととか、相手の返答で新たに気になったこととかを聞けばいいよ。
お互いに無言になっても、それは当たり前だから気にしなくていい。
営業職でもない限りいきなり初対面でペラペラ話せるほうがおかしいんだよ。
もし沈黙が苦痛なら、その状況を言葉に出してみればいいよ。」

「状況を言葉に?」

「そう。例えば、
『私緊張しているんです』とか
『初対面だと何を聞いたらいいのか難しいですよね』とか
『私は普段こんなに無口じゃないんですよ』とか
自分の状況を言葉にしてもいいし、
『もしかして〇〇さんも緊張していますか?』とか
『〇〇さんはあまり自分から話をするタイプではないですか?』とか
相手の状況を言葉にしてみれば沈黙は無くなります。
また余裕があれば、
『私たちってお互い無口で気が合いますね(笑)』
というように、その状況を楽しんでみてもいいと思います。」

「最後のはちょっと難しそうですが、状況を言葉にするんですね。覚えておきます。」

「そうそう。
とりあえず沈黙しても大丈夫ということだけです。
沈黙なんてお見合いにつきものですからね。
そして、そんな沈黙を気にするのは今だけなんですよ。
お見合いを3回もするようになればある程度慣れてきて、その後は沈黙のことなど気にしなくなりますからね。」

「今だけなんですね。」

「逆に、こんなに緊張するなんて最初で最後だからね。」

「そう思ったら少しは気が楽になりました。」

「あんまり気負いしなくて大丈夫です。そんなことよりも表情に気をつけてね。
固い表情を『この人緊張している』と伝わる分ならいいですが、
『私といても楽しくないのかな』
『私のこと気に入らなかったのかな』と伝わってしまえば、
そこでご縁を切ってしまうことになってしまいます。」

「『あなたに会えてうれしいです!』ですよね。」

「そう、それです。」

「緊張するし沈黙も怖いですが、今回はそこを意識して頑張ってみます。」

「いいね!
じゃぁーそろそろ男性も来る頃なので、迎えに行ってくるね。」

お見合いをしたことがないのに、いきなり会話が上手にいくわけはありません。
まして、その相手が結婚相手としてふさわしいかどうかなんて判断がつくはずがありません。
先ずは順番にステップアップしていくことが大切です。
もちろん運命の人に出会ってしまえば、初対面であっても会話が盛り上がり楽しいお見合いになることがありますが、運命の人とお見合いしたとしてもそれに気づかず沈黙の多いお見合いになることもあるのです。
少しでも早くお見合いに慣れ、相手を見抜く力、自分をアピールする力を身につけることが大切です。

さて、次回はいよいよお相手の男性とのご対面です。

気になるお相手は、そしてA子さんの反応はどうなるのでしょうか・・・

 

→成婚体験談「魅力探し編」第16話へ

※この話は実話をもとに、登場人物が特定されないよう脚色してあります。

★ブログのまとめ記事「結婚する方法」はこちら

仲人士 高橋宏仁(たかはし ひろひと)

結婚相談のプロとして、幸せな結婚、そして幸せな結婚生活を送るための秘訣をアドバイスし多くの会員を幸せに導いている。
活動が認められ、2017年NPO法人全国結婚相談業教育センターより全国のトップ仲人士100に選出される。

内閣府認証NPO法人全国結婚相談業教育センター正会員

日本仲人協会 豊橋南支部長

高橋宏仁結婚相談室 代表

 

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