登場人物

■主人公A子さん(35歳)

仕事にやりがいを持ち頑張ってきたキャリアウーマン。年齢的にも「そろそろ結婚して子供欲しいなぁ」と考え始め、結婚に真剣な男性と出会えるという理由で結婚相談所に登録。希望する男性は「特にこだわりはないが」と前置きしつつも、

  • 年収は自分より多い人
  • 結婚後も仕事を続けさせてもらいたい
  • 年齢は同世代(上でも下でもいい)
  • 相手の両親との同居はNG
  • 介護の負担を考えると一人っ子や長男はNG
  • 地元の人

という結婚へのこだわりをもっている。

■仲人士 髙橋

数多くの男女を幸せに導いてきた結婚相談のプロ。

全国の仲人士トップ100に選ばれたカリスマ仲人士。

 

これまでのストーリー

年齢的にも「そろそろ結婚をして子供が欲しい」と、結婚相談所に登録したA子さん(35歳)。
数ある婚活方法の中から結婚相談所を選んだのは、時間効率を考え結婚願望のある男性とのみと出会いたいという理由から。
ぜいたくを言ったつもりもないが、結婚相手への条件を6つ挙げたところ、「そんなに条件を出すとお見合いが組みにくくなるよ」と仲人士から言われてしまう。
しかし結婚に対して絶対に妥協をしたくないA子さんは、「それでもその条件は譲れない!」と言い婚活をスタートさせました。
果たしてA子さんはお見合いを組むことができるのでしょうか・・・

 

第2話 「お断り」

入会面談から1週間後、A子さんのプロフィールが登録されました。
プロフィールに嘘は書けませんので、そこにはありのままのA子さんが載っています。
結婚相談所では、これを基にお見合いの組合せが始まっていきます。
いよいよA子さんの婚活が始まったのです。
しかし、このプロフィールには大きな問題が・・・。
それはプロフィール写真です。

お見合いにおいてとても大切になるのが写真です。
写真の良し悪しでお見合いができるかどうか決まると言っても過言ではありません。
もちろん加工はいけませんが、髪型やメイク、服装や表情に気をつけることでそれは全く別のものになります。
一人でも多くの相手に選んでもらえるよう、写真は最高のものを用意する必要があるのです。
ところが、A子さんの用意してきた写真は「ザ・証明写真」ともいうべきものでした。
私は仲人士として写真の大切さを伝えたのですが、

「ありのままの私を見てもらいたい。

写真が良かったとして、顔で選ぶような男はむしろこちらからお断りです。

会ってガッカリされるのも嫌なので、盛れた写真は載せたくありません。」

とバッサリ。
この時すでにA子さんの頑固な性格は分っていたので、言葉で説明するよりも一回どうなるか経験してもらった方が早いなと思い、私はそのままA子さんの用意した写真で登録したのです。

その写真に映るA子さんは良くいえばクールに見えるのですが、無表情で無機質な印象からは、やはり魅力を感じることはできませんでした。

 

 

仲人士によるお見合いのお世話の仕方は主にふたつあります。

ひとつは仲人のほうから会員に合いそうな人をピックアップし、お見合いを勧めるというもの。

もうひとつは、会員自らお見合い相手を選ぶというものです。

A子さんには現実を分かってもらった方がいいと思った私は、自由に相手を選んでもらうべく、ふたつ目の方法でお世話をすることにしました。
条件を入れた相手検索の仕方、お見合いの申し込み方法など一連の流れを説明し、

「とりあえず最初はA子さんのやりたいように活動してみてください」

と伝えました。

 

一週間後、A子さんからお見合いの申し込みがありました。

36歳会社員

年収450万円

三人兄弟の次男

実家を離れ一人暮らし

趣味はドライブとスポーツ観戦

短髪で爽やかな須藤元気さん似の男性です(以下ゲンキさん)

 

私は早速このゲンキさんに、A子さんからお見合いの申し込みがあったことを伝えました。
あとはゲンキさんからお見合いの受諾があればお見合いの成立です。
当然、お断りをされればお見合いは実現しません。
この返事待ちがけっこうドキドキするのですが、実は私はもうゲンキさんの返事がわかっていました。
しかも、申し込む前からです。

 

お断り

 

その理由はまたそのうち話すとして、予想通りの返事がゲンキさんから返ってきました。
すぐにA子さんに連絡です。

「この前の申し込みですが、残念ながらご縁がなかったようです。」

「気を取り直して次の申し込みをしていきましょう!」

お断りの連絡をするのは、とても心苦しいものがあります。
断られた当人にしてみればもっと心苦しいでしょう。
しかし、そんなことで凹んでいたら婚活なんてできません。
ご縁がなければ次!という切り替えが大切です。
プライドの高い人ほど、この切り替えが難しいのですが、果たしてA子さんは・・・つづく。

 

→成婚体験談「魅力探し編」第3話へ

※この話は実話をもとに、本人が特定されないよう脚色してあります。

仲人士 高橋宏仁

結婚相談のプロとして、幸せな結婚、そして幸せな結婚生活を送るための秘訣をアドバイスし多くの会員を幸せに導いている。

NPO法人全国結婚相談業教育センター正会員

日本仲人協会 豊橋南支部長

高橋宏仁結婚相談室 代表